日本をアジアの雄にした『キャプテン翼』に、我々も学ぼう―中国メディア


 サッカー・アジアカップで韓国との死闘を制して決勝進出を決めた日本。今大会では中国メディアも日本の実力を評価する記事が多くなっているようだが、体壇週報は「1本のマンガが日本をアジアの雄に導いた」として、『キャプテン翼』とともに日本のサッカーが進化していったとする評論を掲載した。

 評論ではまず、『キャプテン翼』の第1期作品がが日本サッカーの暗黒時代と言われる1980年代に登場したことを紹介。執筆を通じて熱烈なサッカーファンになった作者の高橋陽一氏の思いとともに、日本人の性格やサッカーの精神にマッチした内容がマンガの中に溶け込んでいった、とした。また、ほかのマンガに比べると素朴と言えるこの作品が「ボールは友だち」の一言で日本におけるサッカーの地位を築くほどの影響力を持った、と評価した。

 そして『キャプテン翼』が登場してから20年あまり、少年サッカーチームでの成長からブラジル留学、ヨーロッパリーグへの参加、そしてナショナルチームメンバーとして出場、といった物語の進行が、ブラジルから学び続けた基本技術を日本の隅々まで浸透させ、日本人の特性に合わせた「日本サッカー」に昇華させた現実とマッチしており、「このマンガを見ることで我々は日本サッカーの成功の理由を垣間見ることができる」とし、その理由として「社会全体の注目、長期的なサポート、貪欲に学習する精神、そして自分たちの原則を見失わない」などを挙げた。

  最後に、80年代始めに欧米ではなく隣国・日本の「鬼の大松」の協力で黄金時代の基礎を作った女子バレーの例を紹介。「近隣に注目してこそ、経世の道は開けることが多い。例えば、この素晴らしい漫画をもう一度読み返してみてはどうだろう」とし、ただひたすらにヨーロッパの高みを眺めるのではなく、『キャプテン翼』を通じて日本の経験を謙虚に学ぶべきだとまとめた。(編集担当:柳川俊之)
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