白浜で「凍死熱帯魚」続々漂着


 寒波の影響で和歌山県白浜沿岸の海水温が下がり、「凍死」して浜辺に漂着する熱帯魚が相次いでいる。白浜町臨海、京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(58)の調べで分かった。久保田准教授は「これほど多く打ち上がるのは黒潮大蛇行のあった2005年以来。今年は熱帯魚『受難の年』になりそうだ」と話している。

 久保田准教授は同実験所周辺の北浜海岸などで漂着物の定点観測を毎日行っており、流れ着いた魚介類を回収して調査研究している。「凍死」した魚の打ち上げは1月17日から始まり、ほぼ毎日1匹から数匹の熱帯魚を確認した。

 「ツノダシ」「コンゴウフグ」「ツマジロモンガラ」「ミナミハコフグ」「モンガラカワハギ」「クロハコフグ」「ゴマモンガラ」などが27日までに漂着した。魚類以外にも南方系ウニ「トックリガンガゼモドキ」や死んで間もない南方系貝の「ヤクシマダカラ」が流れ着いた。

 外海の海水が常に流れ込む臨海の同大学水族館内の水槽で午前9時ごろに測っている定時水温をみると、昨年12月末から1月上旬にかけては15〜16・9度で推移していたが、中旬に入ってから14度台が目立ち始め、17日に13・2度、18日には12・9度と一気に下がった。外海はさらに冷たくなっているという。

 陸上では16、17日に冬型の気圧配置が強まり、紀南地方で雪が舞った。最低気温も氷点下になった所が多く、熱帯魚漂着が始まった時期と一致している。

 久保田准教授は「打ち上がっているのが、泳ぎが下手なフグの仲間が多い。このまま寒波が続けば、さらに凍死する熱帯魚が出てくる可能性がある」と話している。

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